2020年11月11日R・シュタイナー『社会問題の核心』[17-最終]〜生理的な社会感覚を身につけること[訳者による解説とあとがき]から 《生理的な社会感覚を身につけること》 長らく書き続けている〔ルドルフ・シュタイナー『社会問題の核心』を読む〕は、2017年5月に「半年から一年位はかかるかもしれない」として始めたものだが、様々な私的あるいは社会的な事情により、それから三年半...
2019年3月28日R・シュタイナー『社会問題の核心』[13]〜諸民族の自由な精神生活の国際的共有[社会有機体三分節化をめぐって]から ◉ はじめに/国際生活の必要性と社会の三分節化 《1》諸民族の自由な精神生活の国際的共有 【諸民族はその境界が民族社会の境界でもあるような国境を持った国家を建設しようと努めているが、この努力は閉鎖的民族国家を閉鎖的経済領域にしようとする...
2018年4月7日R・シュタイナー『社会問題の核心』[11]〜賃金から利益配分としての労働へ[第3章 資本主義の本質 − 資本・労働]から-2 《2》分業の本質としての利他主義 「分業」というものを「生産の合理化・効率化」という観点だけから見ていた私にとって、本章における「分業」に関するシュタイナーの論考は「分業」に関する新しい見方と可能性を提示してくれた。...
2017年11月13日R・シュタイナー『社会問題の核心』[10]〜経済過程において変容する貨幣の役割[第3章 資本主義の本質 − 資本・労働]から-1 《1》経済過程において変容する貨幣の役割 「資本主義の本質」と題した第3章は、私にとってなかなか手強い内容だが、この章で私が注目するのは“貨幣の役割”と“賃金労働”に関するシュタイナーの論述である。まずは、次のような貨幣に...
2017年8月26日R・シュタイナー『社会問題の核心』[9]〜意識化された三分節化による「自由・友愛・平等」の実現[第2章 生活が求める具体的で必要な試み]から-2 《2》意識化された三分節化による「自由・友愛・平等」の実現 先に私は、シュタイナーの「社会有機体三分節化」に学びつつ、本来的に精神生活と経済生活と政治(国家)生活という三要素は……人々の生活や意識として表面化することはない...
2017年7月26日R・シュタイナー『社会問題の核心』[8]〜本来の社会生活としての三分節化これまで、本著の[まえがきと序論]と[第1章 現代社会の根本問題]について、私なりに注目したシュタイナーの言葉に触れつつ、参考文献等も紹介する形で読み進めてきた。あらためて振り返ると、この[まえがきと序論]と[第1章 現代社会の根本問題]の論述において、シュタイナーの「社会...
2017年5月24日R・シュタイナー『社会問題の核心』[4]〜プロレタリアにおける純人間的な精神衝動[第1章 現代社会の根本問題]から-1 《1》プロレタリアの諸要求に秘められた純人間的な精神衝動 シュタイナーは、その同時代、ロシア革命として歴史社会に勃興し、そのイデオロギー的覇権を増すこととなった社会主義(統制経済)に対しても、近代資本主義社会(市場経済)に対すると同様...
2017年5月16日R・シュタイナー『社会問題の核心』[3]〜イデオロギー的社会論から倫理的個体主義に基づく三分節化へ[まえがきと序論]から-3 《5》「社会有機体三分節化」をどう読み解くか シュタイナーは、[本論]に先立って[まえがきと序論]をまとめる形で、その社会論の核となる「社会有機体三分節化」について次のように述べる。 【精神生活においては、各人が自分の特別の能力に従って自由に活動...
2017年5月5日R・シュタイナー『社会問題の核心』[2]〜生計目的の賃労働から精神生活としての労働へ[まえがきと序論]から-2 《3》「商品としての賃労働」から「連携組織における報酬」へ シュタイナーは『社会問題の核心』(以下、本著と略す)の全体を通し、三分節化された社会有機体においては生計維持を目的とする賃金労働(者)は消滅し、あらゆる労働が本来の姿である精神生活として...
2017年5月4日R・シュタイナー『社会問題の核心』[1]〜精神生活と教育の自由ここ1年ほどかけて、高橋巌先生を囲む月1度開催の読書会で、ルドルフ・シュタイナーの『社会問題の核心(原著: 1919年4月出版)』(高橋巌訳/2010年/春秋社刊)を読み進め、つい最近、ひとまず読書会として『社会問題の核心』を読了した。『社会問題の核心』で示されているような...