2017年7月10日ベートーヴェン「ディアベッリ変奏曲」[2]〜心魂のドラマとして共振する独白的ピアニズムベートーヴェンの心魂と共振するピアニスト自身の独白的ドラマとして「ディアベッリ変奏曲」を聴く私にとって、そのピアニズムにおいて、個的で多様な精神的即興性により私の音楽的感受を深く揺さぶる演奏は……マリア・ユージナ(Maria...
2017年4月28日ヴァレリイ・アファナシエフ〜アンドラーシュ・シフのピアニズムと共に(3)アポロンとディオニュソスの揺らめき アンドラーシュ・シフとヴァレリイ・アファナシエフは、元来(体癖として)は異質なタイプのピアニストであると思う。どちらかと言えば、シフのピアニズムの基底には、画家セザンヌのような造形的な構築性により、自らの曲想とピアノとが知性的に親和するア...
2017年4月4日ヴァレリイ・アファナシエフ〜アンドラーシュ・シフのピアニズムと共に(2)ヴァレリー・アファナシエフのピアニズム 先述したコンサートでアンドラーシュ・シフのピアニズムの変容として感受したことは……彼自身の個的で固有な問題なのか、コンサートという場での表現の問題なのか、私自身の感受の問題なのか……は定かではないが、10数年前からコンサート演奏を聴き...
2017年4月1日ヴァレリイ・アファナシエフ〜アンドラーシュ・シフのピアニズムと共に(1)アンドラーシュ・シフのピアニズム 先日(2017.3.21)、サー・アンドラーシュ・シフのオペラシティでの「最後から2番目のソナタ」と題したコンサートを聴いてきた。プログラムとしては、演奏曲順に(本人の要望で途中休憩なし)……「モーツァルト: ピアノソナタ...
2016年12月30日武満徹〜雅楽と舞の「秋庭歌一具」東京オペラシティコンサートホールで今年11月30日に行われた雅楽アンサンブルの伶楽舎(音楽監督:芝祐靖)による武満徹「秋庭歌一具」は、私にとって今年一番の演奏会と言える。[補註] 伶楽舎による「秋庭歌一具」は、武満徹没後10年にあたる2006年7月、明治神宮内苑における野外...
2015年7月2日ヴァレリー・アファナシエフ〜叡智から叙情へここ最近、毎年のように来日コンサートを行っているヴァレリー・アファナシエフ(Valery Afanassiev、1947- 、旧ソ連出身)に関心を寄せる日本のファンは多いが、私もここ数年来、毎年1回は彼の来日コンサートを聴いている。前日の「とめよう!戦争法 集まろう!国会へ...