2017年7月8日ベートーヴェン「ディアベッリ変奏曲」[1]〜独白的ドラマに秘められた魔性と魅力私は、ベートーヴェンではピアノソナタと弦楽四重奏曲だけを偏って聴いており、特にシンフォニーは、大げさな身振りの決まりきった響きに聴こえてしまい、私自身の自由な音楽的感受を抑圧されるようでどうにも馴染めないでいる。ビアノ曲でもピアノソナタとは異なる曲想の「ディアベッリ変奏曲、...
2017年4月28日ヴァレリイ・アファナシエフ〜アンドラーシュ・シフのピアニズムと共に(3)アポロンとディオニュソスの揺らめき アンドラーシュ・シフとヴァレリイ・アファナシエフは、元来(体癖として)は異質なタイプのピアニストであると思う。どちらかと言えば、シフのピアニズムの基底には、画家セザンヌのような造形的な構築性により、自らの曲想とピアノとが知性的に親和するア...
2017年4月4日ヴァレリイ・アファナシエフ〜アンドラーシュ・シフのピアニズムと共に(2)ヴァレリー・アファナシエフのピアニズム 先述したコンサートでアンドラーシュ・シフのピアニズムの変容として感受したことは……彼自身の個的で固有な問題なのか、コンサートという場での表現の問題なのか、私自身の感受の問題なのか……は定かではないが、10数年前からコンサート演奏を聴き...
2017年4月1日ヴァレリイ・アファナシエフ〜アンドラーシュ・シフのピアニズムと共に(1)アンドラーシュ・シフのピアニズム 先日(2017.3.21)、サー・アンドラーシュ・シフのオペラシティでの「最後から2番目のソナタ」と題したコンサートを聴いてきた。プログラムとしては、演奏曲順に(本人の要望で途中休憩なし)……「モーツァルト: ピアノソナタ...