top of page

私のジャズ [3] コルトレーンの同世代ジャズ (1)モダンジャズの全盛期

[3] コルトレーンの同世代ジャズ


(1) モダンジャズの全盛期


 コルトレーン(1926.9.-1967.7.)が精力的・献身的に演奏活動をした1950年〜1960年代は、モダンジャズの全盛期であり、「私のジャズ」としても、以下に挙げるように幾多の魅力的なジャズ演奏(演奏者)がきら星のごとく輝く黄金時代である。


 個性的なリズムと強弱による打鍵により、ジャズ・ピアノにアフロ・アメリカンの音魂を実直に響かせ続けたマル・ウォルドロン(Mal Waldron/1925.8.- 2002.12./piano)。


 コード(和音)からモード(旋律)によるメロディー進行への発展、さらには、エレクトリック・ジャズの開拓……後述するように、エレクトリック・マイルスの演奏は私自身の好みでは無いのだが……という革新的なジャズ・イディオムの世界を切り拓くと共に、コルトレーンをはじめとする私自身のお気に入り〝ジャズ〟に連なる演奏者を見い出したマイルス・デイヴィス(Miles Davis/1926.5.-1991.9./trumpet)。


 コルトレーンの盟友でもあり、その訥々としたアドリブ・メロディーと時空に自身を刻むような独自の音色により、『私のジャズ』としてもコルトレーンの盟友であるエリック・ドルフィー(Eric Dolphy/1928.6.-1964.6.29/Alto-sax, bass-clarinet, flute, soprano-clarinet, baritone-sax, piccolo)。


 コードに基づくハーモニーを解体した無調・無小節の音律と共に、メロディーとリズムを直感的に融合する〝打鍵楽器〟としてのピアノの特質を顕示させて、唯一無二の存在感を示したセシル・テイラー(Cecil Taylort/1929.3.-2018.4./piano)。

 

 ピアノのセシル・テイラーのごとくコードに基づくハーモニーを解体した無調・無小節の音律、さらに、管楽器特有の音色変化による前衛的且つプリミティブ(原初的)な演奏を展開したオーネット・コールマン(Ornette Coleman/1930.3.-2015.6./Alto-sax, tenor-sax, violin, trumpet) 。


 従来のビ-バップの主流とは異質な存在なのだが、非黒人を中心としたクールジャズと言われる無機的ながら内発的とも言えるアドリブにより、無意識の内面心理に届くような演奏を展開したリー・コニッツ(Lee Konitz/1927.10.–2020.4./Alto-sax)。



〜続く〜


bottom of page