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全く新たな地平に向けての大きな試練

 春を迎えた自然は、草花や木々、そして鳥たちが生き生きとした姿を見せてくれている。しかし、私たち人の世は、引き続くコロナパンデミックに加え、さらに深刻で衝撃的なプーチン・ロシアによるかつてのファシズム同様のウクライナ侵略に晒されている。

 今の時代、ここまでの惨状は起き得ないと思っていたので、私自身も怒りと悲しみで心が萎えそうである……。イエメン内戦・アフガニスタン・ミャンマーなどの問題、そして、差し迫った地球環境破壊の問題等々、私たち人類にとって本当に本当に試練の時が来ている。

 この試練を世界的・政治的にも、そしてまた、私たち一人一人の人間としても、問題の本質を見極める必死な努力と共に、根底的な改善・解決に向けての洞察と行動が待ったなしに求められてる。無責任な核共有や敵基地攻撃能力など、事態の本質を見ようとしない悪乗りの軍備増強論も喧伝される中、私たち自身が考えを深めつつ、ささやかでも出来ることをなさねばと思う。


 世界・人類・地球のこうした途方もない混迷が眼前に突きつけられる中、私自身の心身もそれなりのケアを必要とする年齢となってしまった。今の世界・人類・地球の危機的な状況、そして、自らの年齢と人生の積み増しは、全く新たな地平に向けて、私自身に与えられた残りの人生の大きな試練なのだろう。


 野口晴哉の整体で学び続けている〝全生〟に近付き寄り添いながら、たとえささやかで身近なことでも、その試練に向けて自らに出来ることを成すことで、世界・人類・地球と共に私自身の〝霊的進化〟[註] を担えればと思う。


[註] ここで私は、第一次世界大戦に伴うベルサイユ条約締結(1919.6.28)直後のルドルフ・シュタイナーによる次のような講義・言葉を思い起こしている。この講義(全六講)は、その当時のヨーロッパ世界の深まる混迷の中で『ミカエルの使命 』と題されて行われたもので、今現在の私たちの世界・人類・地球が直面している危機的状況において、よりいっそう逼迫した切実な言葉として私に深く届けられている。

【地球の進化、特に人類の進化におけるおのずからなる経過は、下降線上を辿っています。地球上の人類の、そして地球そのものの進化は本来、破滅への道を辿っているのです。(中略)しかしとりわけ本来、感覚的、物質的な世界の中で崩壊過程を辿っているのは、人類そのものなのです。ですから人類の働きがさらに進んでいけるためには、どうしても人類は、破滅に反対して働く霊的な諸衝動を受容しなければなりません。(中略)地球の進化がさらに続いていくためには、霊的な働きをますます意識して、ますますはっきりとした態度で受容していかなければならないのです。】(春秋社/2021.11.20/高橋巌訳『ミカエルの使命 』p118-p119「第五講/1919.11.29より」)

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